タンパク質は、生体の体を構成する物質の中では、水の次に量が多い。ふつう、体の重量の約15パーセントを占めます。
タンパク質は栄養素としても重要ですが、そもそもは生物の体の中で多彩な働きをしている物質で、いわば生命活動の実際上の担い手なのです。
すなわち、化学反応の触媒(酵素と呼ばれるもの)、ホルモン作用、特定の物質の体の中での輸送、構造の形成などにあずかっています。構造の形成の役割を担う
タンパク質は構造タンパク質と呼ばれますが、角質層の主成分のケラチンや真皮の主成分のコラーゲンはこの部類に属しています。
人間の体の中には多種類の、おそらく何万種類に及ぶタンパク質があり、それぞれ独自の機能をもっています。
タンパク質は巨大な分子で、ごく小さなもので分子量が1万、大きなものは数10万、数100万の分子量をもっています。
このようなタンパク質の巨大分子は、ある構成単位が鎖状にたくさんつながって出来上がっています。その構成単位がアミノ酸なのです。
アミノ酸は上図に示すような構造の一群の化合物です。Rの部分がいろいろ変化し、これによりアミノ酸の種類が決まるのです。
タンパク質を構成しているアミノ酸は基本的には20種類で、この20種類のアミノ酸の配列順序によってタンパク質の種類が決まる。
つまり、あるタンパク質は決まった種類のアミノ酸が決まった順番で結合して出来上がったものなのです。
アミノ酸のRの部分は各アミノ酸によって違い、水となじみやすい構造のもの(すなわち親水性で、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、セリンなど)や、 水となじまない疎水性の性質のもの(フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、ロイシンなど)。他の物質と相互作用をして水素結合やイオン結合などの結合を作る性質の ものもあったり、孤独な性質のものもあります。各アミノ酸のRの部分の性質が積み重なって、各タンパク質の形や性質が決まる。形についていえば、鎖がまるまって全体として 球状のタンパク質が多いのですが、ケラチンやコラーゲンのようにらせんをまいてつっぱって棒状の形をしたタンパク質もあります。
多くのタンパク質は水や薄い塩溶液に溶けます。実際、体の中でも水に溶けた状態で存在し、酵素やホルモンなどの生理作用を発揮しています。 しかし、なかには水に溶けず線維のような構造体をつくっているものもあり、先に述べたケラチンやコラーゲンはこの例にあたります。 タンパク質をつくるアミノ酸は、基本的には20種類といいましたが、それ以外のものが存在する場合があります。 例えば、多くのタンパク質の中にはシスチンというアミノ酸があり、そのシスチンは2個のシステインがジスフィルド結合という結合で手をつないだものなのです。 つまり、シスチンはタンパク質の鎖と鎖の間の橋かけになっており、いろいろなタンパク質の構造の維持に重要な役割をしているのです。