昔から「色の白さは七難かくす」といって白い肌が好まれてきました。最近は小麦色に日焼けした肌の方も多いですが、まだまだ白い肌へのあこがれは強いです。
それに、シミやそばかすのような色素沈着も深刻な問題です。皮膚の色を決める主な要素は、メラニンという色素の量で決まります。これに皮膚の厚さや血管の数、血液の流れの状態などの要素が加わって肌の色が決まるのです。
ふつう、メラニンと呼ばれているものは、メラニンとフェオメラニンの混合体であることが多い。フェオメラニンとは、黄色あるいは赤い色の色素です。 ちなみに、髪の毛の黒い色もメラニンによるものです。欧米人には赤い髪の人もいますが、それはフェオメラニンが多いためだといいます。
メラニン色素をつくるのはメラノサイトという細胞です。表皮の一番奥に基底層という細胞の層があり、表皮細胞(ケラチノサイト)はそこで生まれ、だんだん
表の方に押し出されてくることは表皮の構造で述べました。メラノサイトも表皮の基底層に存在しています。
メラノサイトの中にはメラノソームという小器官があり、ここがメラニンの生産の場なのです。
つくられたメラニンはメラノソームの中にどんどん貯えられ、やがてメラノソームはメラノサイトの突起を通して周辺にいる表皮細胞にわたされます。
表皮細胞はメラニンのつまったメラノサイトをくわえこみながら皮膚の表の方へ移行し、そして角化して角質層になりやがてアカになってはがれ落ちるのです。それと同時にメラニンも体の外へ排泄されることになります。

正常な皮膚ではメラニンはメラノサイトによってたえずつくられる一方で、たえず外へすてられ、それが一定のバランスを保っています。
このバランスが崩れると、皮膚の色に変化がおこることになります。
メラノサイトは正常な表皮の基底層では一定間隔で分布しており、1平方ミリメートルあたり1500~2000個あって、表皮細胞7~8個あたり1個の割合です。
これは人種によりません。つまり、白人でも黒人でも変わらないそうです。しかし、白人はメラノソームの表皮細胞への移行が少ないため肌が白く見えるし、
黒人のメラノサイトはメラニンをどんどんつくって表皮細胞にわたすので、皮膚の色が黒くなるのです。同じ人間で比べると、メラノサイトの数は顔面に多く腹部では少ない。
頬にはお腹の2~3倍あるといいます。
皮膚のメラニンは、「日光」とくに紫外線から体を守る役目をもっています。紫外線は細胞に傷害を与え、ガンなどを引き起こします。
メラニンがあると紫外線を吸収し、細胞のダメージを防ぐことができるのです。
メラニンは色黒のもとであり、シミや老人性ホクロのもとになる物質なのですが、しっかりとした役割をもっているのです。